ロックダウン15週目(6月29日~7月5日頃) – 地元の街がローカルロックダウン!

レスター市がローカルロックダウン - お店が再び閉まる!

先週末に地元のレスター市(Leicester City)がローカルロックダウンになるかも*、というニュースがでていたが、一夜明けた月曜日にはそれが現実になっていた!

(*https://elsaleo.hatenablog.com/entry/2020/07/22/230518

先週ロックダウンの緩和プランが首相がら発表され、7月4日からレストラン、パブやヘアサロンも再開されることになっていたのに、レスター市はあと最低2週間はロックダウンが続くことになった。

6月15日からの部分解除で再開していたノンエッセンシャルなお店もまた再び閉まることに…。せっかく開いたと思ったのに。

もちろん7月4日から開くはずだったパブやレストラン、それに首を長くして開くのを心待ちにしていたヘアサロンも開かなくなった。😢😢😢😢

「がーーーん!いつになったらヘアカットにいけるのやら!?」

パブやレストランは別に焦っていく予定はないけれど、ヘアサロンくらい開けて欲しい!

 

それにしてもなぜレスター市だけ飛びぬけて感染件数が多いのかしら、と不思議に思っていたところ、ニュースでは意外な真相が明かされていた。

レスター市の東南部にはいろんなブランド服の縫製工場が集まっているのだが、そこでは発展途上国並みの低賃金で働かされている移民の人達が大勢いるらしい。

この国の法律で定められている最低賃金は、25歳以上の大人の場合、時給£8.72(最近のレートで換算すると約1200円)なのだが、なんでも悪質な事業主が経営する縫製工場では時給£3.50(約480円)しかもらえてない従業員がたくさんいるとか。

恐らくこの中には違法にUKに入国し滞在している人もいるので、低賃金しかもらえなくても警察やしかるべき公的機関に通報できない人もいるに違いない。

もちろん、この安い賃金では普通に暮らせないので、ベッドルーム3つの家に30人以上が一緒に住んでるというケースもあるとニュースにでていた。

しかしどうやったらひと部屋に10人以上がが寝れるのか?

恐らく一部屋にダブルベッドが1つしか入らないだろうから、心地よく寝るには2-3人までが限度?横向きに並んで寝たとしても4人までか?残りの6人はどこに?

2段ベッドをギリギリ3つ置けたとしても6人まで? ふーむ….。

また「コロナの症状がある」と事業主に連絡したのにもかかわらず「仕事に来るように」と言われたという縫製工場の従業員の証言もニュースにでていた。

このような最低な労働条件の中で集団感染が起きていたらしい。

 

その他の理由としてはインド系移民の人たちの文化の違いも背景にあるようだ。

レスター市の人口は現時点で約430,000人だが、そのうちインド系移民の人達が30%近くを占めている。

戦後、イギリスは産業復興に不足していた労働者を当時の植民地であったインドから呼び寄せた。レスター市は昔から縫製産業が栄えていたようだが、ここにも戦後たくさんの労働者がインドからやってきた。

レスターの街中から東に向かう道の1つに「ゴールデン・マイル」とニックネームがつけられた通りがある。この通りを通ると「ここはインド?」と錯覚するほど、全てがインドのお店で埋め尽くされている。サリーショップ、インドレストラン、インド銀行、インドのスイーツショップ、インドのジュエリーショップ等々といった具合だ。

近年では、このゴールデンマイルで毎年10月末になるとインド国外では最大級と言われるDiwali(ディワーリ)のお祭りも開催されるようになった。

インド系の人口が多くなったことを物語っている。

 

義理の母は生まれてから1960年代初期に結婚するまで街の中心に近いテラスハウス(日本で言うところのタウンハウスのように数件が隣同士ひっついている集合住宅)に両親と一緒に住んでいた。

義母が幼少の頃、彼女の住んでいた通りは100%白人イギリス人だったそうだが、時が経つにつれインド人の家族が次から次に移り住むようになり、現在この通り一帯はほぼインド系の人たちで埋め尽くされている。

このような街中にある古いタイプのテラスハウスは大抵小さめのベッドルームが2つか3つあり家賃も安い。そしてインド系の人たちは、昔の日本のように2~3世代が一緒に住む文化がある。祖父母、長男の家族とその子供たち、そしてたまに長男の未婚の兄妹たちも一緒に、という場合もある。

このような住宅環境が感染率に影響しているのでは、との説もでている。

インド系移民の2世代目、3世代目の人たちは成功している人たちも大勢いて、教育にもかなり熱心だ。弁護士、医者、エンジニアになるようにと親から言われて育った人たちがたくさんいる。

家賃の比較的安い街中のテラスハウスだけではなく、レスターの高級住宅街にはこのように成功したインド系の人たちも多く住んでいる。

今回のレスターのローカルロックダウンの地域はこのよなテラスハウスがある地域のほか、高級住宅街のある地域も含まれている。

 

このレスターにある低賃金で移民を雇っていた縫製工場のニュースを聞いて、市民たちは皆怒りの声を上げている。

このように低賃金で長時間働かされている労働者がいる工場は大抵発展途上国にあり「sweat shop」とイギリス人は呼んでいる。

義母をはじめ、昔から地元に住む夫の叔母たちも「こんな低賃金で奴隷のように人を働かせるsweat shopが私たちの住む街にあったなんて、とても先進国とは思えないわ!」

「今まで摘発されなかったのが不思議だわ!」

「人種差別だと言われるのを恐れて市や警察は何も言えなかったのよ、きっと!」

などと声高らかに憤慨していた。

     

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ローカルロックダウンのニュースとともに、レスター市のどこの地域がロックダウンの対象かという境界線が描かれた地図がネットにも出ていた。

私の住んでいる場所が、ちょうど太く引かれた境界線上に見えていて、ロックダウンのエリアに入っているのかどうかいまいち明確ではない!

レスター市のホームページをチェックしてみると、自分の住んでいる地域の郵便番号を入力するとロックダウンのエリアに入っているかどうかがわかるようになっていた。

「お願い!ロックダウンのエリアから外れてますように~!」と祈りながら、私は恐る恐る自分の郵便番号をタイプしてエンターキーを押してみた。

「あなたのエリアは制限がかかったエリア(Restricted area)です。」

とでてきた。

また、「ローカルロックダウンの地域からの出入は必須な用事以外はしないこと」と言うメッセージも一緒にに出てきた。

「がーーん!残念…。」

       

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6月30日に発表されたレスター市ロックダウンの境界線*

(*https://www.gov.uk/government/news/leicestershire-coronavirus-lockdown-areas-and-changesより)

 

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「レスターへの出入りは必須な用事のみ」と書かれた掲示板* (*Leicester Mercuryより)

 

ローカルロックダウンが決まってすぐにヘアサロンと歯医者から私の携帯ににメッセージが届いた。

6月末に定期検査の予約をいれていた歯医者からは「今回の予約はキャンセルになりましたので、新たな予約を入れ直してください。」ときた。

早速電話して予約の取り直しをお願いすると、「一番早くて12月27日になります」と!

「6ヶ月も先??」

これが最短なら仕方がないか…。

この後6ヶ月は虫歯にならないようにしっかり歯磨きしなきゃ!

 

ヘアサロンからは「ローカルロックダウンになったため、今入っている全員の予約を2週間先送りにします。」とメッセージがきた。

「あ~、せっかくあと10日でヘアカットに行けると思ってカウントダウンし始めていたのに…。」

ヘアカットは7月24日まで待たなくてはならなくなった。

ここまで待ったなら、あと14日くらい待つのも変わりはないか。

もう諦めモードになってきた。

どうか2週間後には感染者数が減少して、ローカルロックダウンが緩和されますように!

私はまたもや祈りたい気持ちになってきた。

 

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「Alert for Leicester」レスターがロックダウン中ということを知らせる広告があちこちに..。

 

スーパーサタデー!-全国ロックダウン制限の大幅緩和スタート

今週の土曜日(7月4日)はスーパーサタデー!

この土曜日から今まで閉まっていたパブやレストラン、そしてヘアサロンや遊園地、映画館等がイングランド一斉に再開できることになった。

(もちろん、私の住むレスター市は含まれない…。☹)

 

朝からニュースではこの日からオープンするレストランやパブ、そしてヘアサロンの様子が映っていた。

なんでも7月4日になったと同時に、夜中の12時からカットを始めたヘアサロンもあったようだ。私もレスター市に住んでなかったら12時に行ってたかも!

夜中ではなくても、朝から各地のヘアサロン(特に男性のいく床屋さん)には長蛇の列ができていた。

4ヶ月髪の毛が伸び放題だった人たちのヘアカット前とヘアカット後の写真がたくさんソーシャルメディアにもアップロードされていた。

ローカルロックダウン中の街に住んでいる私と夫は「いいなぁー、ヘアカットに行けて!」と羨ましくその画像や映像を眺めていた。

 

この土曜日に再開できることになったその他のビジネスは、

  • 屋外のジム、遊技場
  • 図書館、コミュニティーセンター、博物館、アートギャラリー
  • 映画館、遊園地、ビンゴ会場
  • 信仰の場(お寺、教会、モスク等)

等だが、密になるサービス業(ビューティーサロン、ネイルサロン、やスパー等)が開くのはもうしばらく先になるようだ。

たくさんの人が開くのを心待ちにしている屋内ジムやプールも、もうしばらくかかりそう。

 

しかし、大勢の人が待っていたパブが開いたのはほぼ「お祝い事」に近い!

土日の夜、全国あちこちのパブで再開を祝っている人たちがニュースにでていた。

ロンドンのパブもテレビに映っていたが、外に置かれたテーブルにびっちり人で埋め尽くされていた。みなビールを片手にもって楽しそうだった。

私の周りの年配の人たちの中には「なんで土曜からパブが開くことになったのかしら?いきなりたくさんの人たちがパブに集まるだろうし、酔っ払ったらソーシャルディスタンスできるわけないじゃない?」と懸念している人もいた。

確かに、確かに..。

 

スペインに行けるかも!

今週の金曜日に出たニュースでは7月10日からトラベル規制が少し緩和されることになったとでていた。

今まで海外からUKに戻ってきた際、14日間の自己隔離が必要だったのだが、指定されたリスクの低い国から帰ってくる場合はこの自己隔離をする必要はなくなるらしい。

早速この低リスクの国をネットでチェックしてみたところ約60ヶ国あり、その中にはイギリス人がホリデーで行く人気のヨーロッパの国々の他、日本も含まれていた。

6月に友人夫婦とスペインへ行く予定にしていたのがコロナでキャンセルになった後、9月に予約を入れ直していたので*、私は早速スペインがこの自己隔離除外国に入っているかどうかチェックした。

(*https://elsaleo.hatenablog.com/entry/2020/07/01/044216)

 

「あった!スペインも除外国だよー!」と私は夫に叫んで知らせた。

「今度こそ行けるかな、スペイン….。」

この間までヨーロッパの国々は手軽に行ける渡航先だと思っていたのに、ロックダウン以来、近くて遠い存在になってしまった。

 

 

この週UKのコロナによる死亡者数の合計は43575人⇒44220人*に。

だいぶ減ってきた。

(*coronavirus.data.gov.ukより)