2022年6~7月:広がるインフレで生活は大打撃!- 給油に行くのも恐ろしい...!

ガソリン高騰で給油に行くのが恐ろしい...

前回書いた通り、私は5月末から2週間日本に一時帰国し、6月半ばにUKに戻ってきた。

美味しい日本食を堪能し、イギリスでは見かけないフワフワしたケーキや、ベーカリーで売っている種類豊富のパンも食べだめしてきて幸せモードで帰ってきた。

イギリスでは味わえない新鮮なお刺身も最高に美味しかった。

家でも、日本食は限られた材料で定期的に作るけれど、海外だと食材も高い。

たとえばキッコーマンのお醤油1リットルは6ポンド(約1,000円)くらいする。

5食入りのインスタントラーメンでも10ポンド(約1600円)はする。

外食だと、先日ロンドンで息子と二人で天ぷら+うどんを2人で食べただけで50ポンドもした。(約8,000円!)

という訳で、清水の舞台から飛び降りる思いで外食のうどんを食べなければならない。

それに比べ、日本では質がよくて美味しいものが手ごろな値段で食べれて、まるで天国にいるかのようだった。これは円安のおかげもあるかも、だが。

スーパーやデパ地下の食料品売り場は、ありとあらゆる食材や食べ物であふれ、お惣菜コーナーは材料を買うより安い値段で栄養のバランスのとれたものがたくさん並んでいる。

どれも200円~500円くらいで! 

もう私はディズニーランドに来た子供のように、毎日食料品売り場でルンルンしながら心が高揚していた。

日本のスーパーで売られている生鮮品はどれも新鮮なのに手ごろな値段で羨ましい!
ロンドンの日本の食料品屋さんだと写真(左)のようなお寿司セットは軽く2000円はする。
写真(右)のような新鮮な生魚はイギリスのスーパーでは見かけない(泣)

3年ぶりの日本だったけれど、値段も3年前とたいして変わってなかった。

100円ショップも100円のまま、質のいいものが売られていた。

もちろん消費税は10%加算されるけど、イギリスの20%に比べればまだ安い。

私の持って行った2つのスーツケースは、スーパーで買い溜めした食料品や雑貨ですぐにいっぱいになってしまった。

 

しかしながら、このような幸せ気分は、イギリスに帰ってきた途端にぶちのめされた。

日本に一時帰国する前から、ウクライナ紛争の影響でエネルギーや食料の値上りが始まっていたのだが、私が2週間日本に行っている間にも、インフレは急激に進んでいた。

特に私の長距離通勤に不可欠なガソリンは、みるみるうちに20%近くも上がっていた。

例えば、ガソリン1Lの値段だと

ロックダウン中    約£1.00  (約165円)

ロックダウン後    約£1.30   

2022年3月(ウクライナ紛争開始直後)  約£1.60 (約265円)

2022年6月中旬   約£1.78   (約294円)

2022年6月後半   約£1.90   (約314円)

2022年3月のガソリンの値段(左)と5月の値段(右)
じわじわと上昇し始めた頃
6月中旬(左)と下旬(右)の値段
あっという間に1リットル2ポンド近くに!(約330円)

ディーゼル(軽油)だとガソリンより割高なので、すでに1L当たりほぼ£2.00になっている。

去年まで乗っていたディーゼル車をハイブリッド車に変えておいたのが少しは救いだが、それでも、今までより1ヶ月で80ポンド近くは余分にガソリン代を払うことになった。(約13,200円)泣….。

 

もう怖くて、給油中にポンプのメーターを直視できなくなってきた。

「ええ~!ちょっとしか入れてないのにこの値段!!?」と毎回心臓が止まりそうだ。

このまま値段が上がり続けると、そのうちガソリン代が払えなくて仕事にも行けなくなる日が来そう…。

 

日本でガスリンスタンドを通り過ぎた際に見かけた料金の看板をふと思い出した。

たしかそこには軽油で1L-140円とあった。

「ということは約80ペンス?」

UK価格の半分以下?!

私は「食料だけでなく、ガソリンも日本から買いだめして持って帰ってくることができればいいのに…。」と切に思った。

日本で見かけた軽油の値段 ー UKの価格の半分以下!これ欲しい!

値上がりしたのは、ガソリンだけでなく、ありとあらゆる食料品もじわじわと上がってきているのが顕著にわかるようになってきた。

小さいものだと、パスタ1袋は今まで50ペンス以下(80円以下)で売っていたのに、いつの間にか80ペンス(130円)になっていたり、食料品以外の生活用品だと、洗剤やデオドラント、キッチンペーパーなど、数えたらきりが無いほど…。

パスタ1袋はこの間まで50ペンス(約82円)だったのにいつの間にか80ペンスに。
バターも1.3ポンドくらいだったのに気がつけば2ポンド近くの1.85ポンドに。
このように全てが値上がりして家計を圧迫中!

ガス・電気の公共料金は2倍に!! 1ヶ月33,000円!

一番の痛手は、電気・ガスの公共料金が2倍になったこと!

コロナが始まる前までは、UK内にガス・電気の比較的安い供給会社がたくさん存在し、それぞれの家庭の使用量やニーズに合わせて、安いところを検索して契約していた。

供給会社が色々あったので、価格競争で料金も抑えられていた。

ところが、2021年が始まった頃からナチュラル・ガスの卸売り価格が250%も上昇したため、安い売値ですでに契約していたお客さんに対して値上げができず、仕入れのコストがカバーできずに倒産してしまった供給会社がたくさんでてきた。2021年以来なんと30社近くの供給会社が倒産したらしい。

ということで、私たち消費者は安い電気・ガス供給会社を選ぶチョイスが狭まった上に、生き残った大手数社の中から今までより高いタリフで契約しなければならなくなった。

更に追い討ちをかけるかのように、ウクライナ紛争が始まり、ロシアへの経済制裁が科されたことから、ロシアからのナチュラル・ガス輸入がストップしてしまった。

今年の我が家の電気・ガス代はなんと去年の2倍になってしまった。(悲…)

去年は電気+ガスの両方で1ヶ月100ポンドほど(約16,500円)だったのに、今年は2倍の200ポンド! (1ヶ月33,000円!) 前代未聞の値上がり方だ。

年間で計算すると昨年より1200ポンド(約20万円)余計な出費が増えたことになる。

これだけあったらホリデーに行けたのに...。

このままだと、セントラルヒーティングで暖房費が上がる冬が来るのが今から恐怖…。

冬はセーター重ね着で過ごさねば。

いつも電気やテレビをつけっぱなしの夫も、最近ではつけっぱなしの照明を見つけては消して回るようになった。

我が家の電気&ガス料金の明細
2021年7月の料金は92.42ポンド(左)だったのに2022年7月は倍以上の201ポンドに!(右)
日本円にすると約33,000円

「ああ~、食料費も、ガソリンも、公共料金も何もかもが値上がりして、お給料も上がらないかしら…」

と思っていると、7月に入って今度は鉄道会社の労働者たちが賃上げ要求のためのストを始めた。

これで、大混乱なのはUKの空港だけでなく、もともと乱れていた鉄道も定期的に動かなくなった。

最近はコロナの規制もなくなったので、この夏各地で野外コンサートや、いろんなスポーツイベントが行われていて、移動する人も多いのに、大打撃だ。

電車も空港も大混乱なので、残さされた交通手段は車なのに、ガソリンが高くて遠出もままならない。

ああ~、もういや~!

私の心は、何もかもがUKより安くて美味しいものがたくさんある日本へ飛んで行って、深い日本ロスに陥っている....。