2021年8月~11月:相変わらず続く人手不足と物資不足

日常が戻ってきたのはいいけれど..

コロナ対策で導入されていた規制が7月に大幅に緩和されてからといもの、通勤や仕事もだんだん以前のような忙しさに戻ってきて、このブログもしばらく書いていなかった。

その間にもいろんな変化が…!

 

トラックのドライバー不足と物資不足

7月にPindemicで人手不足が問題になった後、NHSのTrack&Traceのアプリの精度が落とされPingされる人の数が40%近くも減ったり、ワクチンを2回打っている人はPCR検査やLateral Flow Test(迅速テスト)を受けて陰性であれば、隔離しなくてよいこととなったにもかかわらず、人手不足は11月の今でも深刻化している。

これは隔離している人が多いからだけでなく、UKのEU離脱も大きい原因。

ホテルやレストランではBrexitの前まで東ヨーロッパの人たちが出稼ぎで多く働いていたのだが、コロナやBrexitで国に帰った人も多く、経営が困難になってるホテルも多いとか。

農場では収穫期に来ていた出稼ぎの東ヨーロッパの人たちが来れなくなったため、収穫が遅れている農産物も。

最近は豚を屠殺し食肉に処理する人が不足していて、育った豚をさばききれないという問題もニュースに出ていた。育った豚をヨーロッパ内の食肉処理場までトラック輸送し、処理された豚肉をUKに戻さなくてはならなくなるかもと..。(こんな目にあう豚もかわいそう!)

また大型トラックの運転手さんの不足も深刻になってきて、サプライチェーンに大きな影響を与えている。

もうスーパーに買出しに行っても、全ての棚が商品であふれているという光景は見かけなくくなってきた。必ず欲しい物全てが棚に並んでいるという期待をするのもなくなってきた。

ある時は果物のベリー類が全然なかったり、ウール専用の洗濯用洗剤がどこのスーパーにもなかったり、いつも使っている詰め替え用のサランラップがいつの間にか棚から消えていたり…。

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食品だけではなく日用品の棚も品薄

8月には農場の人手不足から、チキンや七面鳥などの鶏肉が不足して、KFCやBBQチキンのチェーンレストランが何十軒もの店舗を閉めることになったり、マクドナルドではミルクシェーキがしばらくメニューから消えた。

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マクドナルドのミルクシェイクもない!

物流には欠かせない大型トラックの運転手さんの不足はかなり深刻で、政府がヨーロッパからの運転手さんを呼び集めるために緊急のビザを発給するという手段までとり始めた。

Brexit前まではEUに住む人たちはEU内で自由に行き来したり、規制なく働けたので、こんなことをしなくてよかったのに、こんな事態ではBrexitしたメリットがわからなくなってきた。

 

ガソリンのパニック買い

大型トラックや大型タンカーの運転手さんが不足しているせいで、9月末にはイギリス中でガソリンのパニック買いも起きた。

朝のBBCのニュースで「タンカーのデリバリーが来る頻度が少なくなって、給油ポンプが止まっているガソリンスタンドもでてきている」と報道のあった日の夕方から1週間ほどこの騒動は続いた。

私も漏れなくこの騒動の被害者になった。

毎日長距離通勤しているので、ガソリンは最低でも半タンク入ってないと困るのだが、騒動の始まった日、仕事からの帰り道にあるガソリンスタンドはどこもかしこも長蛇の列、もしくは全てのポンプは空になっていた。

翌朝は4時起きして3軒まわった後、やっと1軒のガソリンスタンドでポンプ2つ分動いているのを発見し、30分ほど並んで給油できたのだか、「お1人様最高20ポンドまで」と張り紙があり、満タンにはできなかった。

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朝の4時にガソリンを求めスタンドへ。一人20ポンドがMAXになっていた。

その週末は友人夫妻と遠出する予定も入っていたのだが、ガソリンが手に入るがどうかお互い不安だたので、その遠出も中止となった。

近所の大型スーパー、テスコに併設されているガソリンスタンドにも1週間ほど毎日長蛇の列ができていて、周りが交通渋滞になっていたほどだ。

中にはこの長蛇の列に並んでいる間にガス欠になって、車を手で押しながら進んでいる人も!

このガソリンパニック買いが続いた1週間は、親族のグループチャットで、誰かがガソリンのあるスタンドをみつけては情報を交換してなんとか乗り切った。

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ガソリンスタンドへ続く長蛇の列
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並んでいる間にガス欠になった車を押す人(左)とカラの給油ポンプ(右)

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どこのスタンドにもこのサインが...。

 

9月になるとこれらの他にエネルギーや半導体の不足が顕著にいろんなところに現れてきた。

エネルギーが高騰してきたため、UKに3軒ほどあったという大きな家畜用の飼料工場の2つが閉鎖 → そこから副産物としてでていた二酸化炭素が入手困難になる → 二酸化炭素は食品のパッケージに長期保存のために使われているが入手困難でパッケージに注入できなくなる → 生鮮食料品がこれまた品薄に。という意外な悪循環も明るみになった。

「もう普段よく使う肉や野菜は見かけた時に多めに買っておかねば!」

と心がけるようになった。

 

半導体の不足は世界共通だと思うけど、身近なところでは、車!

私も今年車をリース車に切り替えようと、7月下旬に注文していたのだが、9月中旬まで受け取れなかった。

私の車はオプションなしのスタンダード仕様車なので、これでも割と早かったらしい。

会社の社用車は、4月くらいに注文して10月までかかった。

また私の勤務先では、ある製品をヨーロッパの代理店経由でEU市場に卸しているのだが、東南アジアにある工場では大半の人がコロナで隔離してたり、半導体などの部品が不足していたりで生産が追いついていなく、受注は回復してたくさんあるのに、売る商品が追いつかないという事態に。

エネルギーや石油の高騰で、船やエアー便の輸送費も高騰したため、商品を工場から輸入して販売している私の会社では、売値を引き上げることになった。

ロックダウン中、1リットル1ポンド(約150円)を下回ったガソリンも今では1.45ポンドにも高騰した。45%アップ!

「ああ~、うちに石油貯蓄タンクがあれば、ロックダウン中に貯蓄しておけたのに….。」

とさえ思ってしまった。

会社では同僚たちと「通勤もコストが上がってきたし、物価も上がってきたし、お給料もあがらないかしらね~。」が口癖になってきた。