8月(8月10日~8月31日) ― いまだにローカルロックダウン?

レスター市はまだ規制がかかったまま...

8月3日から仕事にも戻り、パブやレストランも再開したので友人ともランチやお茶をしに出かけ始め、もう私の頭の中では通常が戻っていた。

 

 

8月も半ばになってきたころ、「もしかしたら、もうレスター市のローカルロックダウンはほぼ終わったのかも!?」

という希望に満ちた考えがふと頭をよぎり、「レスター市のホームページで念のためチェックしてみよう~!」とウェブを開いてみた。

レスター市のロックダウンは6月30日から始まったのだが、今だにまだ以下のような規制がかかっていた。

  • カジノ、ボーリング場、会議場、屋内ジムとプール等はまだ再開不可
  • 個人の家で他の世帯と集まることは禁止(庭でも不可)
  • シールディングしている人たちは、近々屋外でならよその世帯の人たちと6人までなら会ってもよくなる予定

 カジノやボーリング場にはめったに行かないので生活に困るわけではないが、今の時点で唯一開いてなくて困っているものと言えばスポーツジム!

相変わらずフィットネスのアプリでたまに運動しているものの、辛らいところはついパスしたりしてしまうので、やはりジムのクラスに参加した方が効果があるということを実感した。

よその街ではすでに屋内ジムもプールも再開されているので、会社が終わってからジムに直行している同僚が羨ましい限りだ。

 

また個人の家でまだ集まれないというのも、非常に落胆した。

今月の2週目と3週目は記録的に30度を越える暑い日が長く続き、よその街では多くの人達が自宅の庭でバーベキューパーティーを開いていた。

我が家も6月に庭にできたデッキで、この夏親族や友人たちを呼んでバーベキューをしようと計画していたのだが、「この調子では規制が緩和された頃にはもう夏が終わってるかも..」と諦め始めた。

 

仕事には復帰したものの、9月までに今年の有休の半分を消化するよう会社からお達しがでたので、今月は毎週月曜日と金曜日は休むことにした。

ということで今月は、ほぼパートタイム状態だ。

 

デパートが倒産

今月は有休がたくさんあるので、月曜日に久しぶりに街のショッピングモールにも行ってみた。以前よりも人で賑わっていて、先月行った時よりゴーストタウン感が無くなっていてホッとした。

1つだけ残念のなのは、コロナが上陸する前から経営不振が続いていたDebenhams(デビナムズ)という老舗のデパートが倒産のため閉店してしまったこと。

このデパートはUK全国に店舗があり、化粧品からファッション、キッチン用品や寝具まで1つの屋根の下に凝縮されていて、ウィンドーショッピングするにはもってこいだったのに残念…。

経営不振に追い討ちをかけるようにロックダウンになってしまったので、レスターにある店舗だけでなく、他に5店舗ほど同時に閉店しまったそうだ。

店舗は閉まったものの、Debenhamnsのオンラインショッピングは継続するらしいので、やっぱりこれからショッピングはオンラインが主流になるのかな...。

 

ショッピングモールに来たついでに、久しぶりにスターバックスでコーヒーでも飲もうかと思ってお店に入った。

ここにも変化が!

店内の椅子やテーブルの半分が除去されていて、座れるスペースがかなり縮小されていた。

各テーブルにはコンタクト先を記入する用紙が置かれていて、店内で飲食する人はこれを記入してカウンターで注文する際に渡すことになっていた。

ということで、あまり落ち着いてお茶もできなさそうなのを察したのか、テイクアウェイする人の方が多かった。 ロックダウン前は、いつもごったかえしていて、空いてるテーブルを探すのに苦労していたほどなのに…。

f:id:Elsaleo:20201106010131j:plain
f:id:Elsaleo:20201106010058j:plain
テーブルや椅子の半分以上が除去されたスターバックスの店内

 

 

Eat out to help out

ローカルロックダウンの規制がかかっている間は、個人の家や庭では集まれないけれど、幸い今月は政府の「Eat out to help out」キャンペーン中!

これを理由に友人たちや家族と外食に出掛けることにした。

このキャンペーンは「ローカルロックダウン6週目」で書いた通り、8月3日~31日の1ヶ月の間、毎週月曜日~水曜日にこのキャンペーンに参加しているカフェやレストランで食事すると政府が半額肩代わりしてくれる(最高10ポンドまで)というシステムだ。

 

8月は有休消化のため毎週月曜と金曜に休みをとることにしていたので、友人と一緒に月曜のお昼にホテルでアフタヌーンティーをしたり、平日に家族と夕飯を食べに出掛けたりした。イギリスの外食は日本と比べて割高なので、一人当たり10ポンド(約1400円)も安くなるとかなり助かる!

しかし、人気のパブやレストランは最低1週間前には予約を入れておかないと入れない事がわかった。

ソーシャルデイスタンスを保つため、お店のテーブルの数が減らされているから特にランチタイムや夕方6時以降はすぐに予約で埋ってしまうようだ。

いい時間帯に予約がとれなかった時は「もっと早くから予約を入れておくんだった!」と後悔。 人気のレストランでは予約が取れるのが2週間先、というところも。

こんなに賑わってて、外食産業を復活させるにはいいアイデアだな、と思った。

しかし、ロックダウンで数ヶ月間も家に篭っていたのに慣れたのか、どうも人で賑わっているところを見ると「こんなに人が集まってて大丈夫かしら~?」とふと危機感を覚えてしまった。

f:id:Elsaleo:20201106001621j:plain
f:id:Elsaleo:20201106010021j:plain
East out to help outのロゴの貼られたホテルで友人とアフタヌーンティー

 

ドーバー海峡は忙しい

8月の半ばから、毎週のように、「XXXの国からUKに帰国した際は14日間の自己隔離が必要になりました」という隔離対象国が増えていくニュースが流れていた。

8月中旬から下旬までの2週間の間だけでも、フランス、マルタ島、オランダ、クロアチア、オーストリア、スイス、チェコ等10カ国以上の国々が次から次に隔離対象国リストに加えられていった。

ロックダウンがやっと解除になって、今年のホリデーを延期したりキャンセルしていた多くの人たちが「そろそろ行っても安全そうな国をみつくろって、1週間くらいどこかいこうかなぁ。」と思い始めた時だったので、この隔離対象国が増えていくニュースをみながら、

「え~!オランダも?ジャマイカも? 近隣国のフランスもだめになっちゃた!?」

「行けるところはいったいどこ~?」と感染率マップを見ながら頭をかかえていた。

我が家のスペイン行き(本当は6月に行く予定だった)は9月に延期していたのを、最長変更可能ギリギリの10月25日に念のため変更していたのだが、「どうかスペインが隔離対象国に加えられませんように~!」と祈るばかりだ。

 

その頃UKは7月後半から8月半ばまで30度を越す暑い夏が続いていて、なんでも1960年代以来記録的に34度を越す日が長く続いたらしい。

イギリスでは通常20度を越すとみな「夏だね~」と言って半袖になったり、上半身裸になる男の人たちもでてくる。30度を越すなどめったにない。

ということでエアコンが一般家庭に普及していないUKでは、みな寝苦しい夜を過ごしていた。

朝仕事に行くと、同僚のほとんどが寝不足で疲れきった顔をしながら、

「昨晩も暑くてよく寝れなかったよ~。」とか

「車のエアコンをつけて、車の中で寝たいと思ったよ」などと話していた。

仕事に復帰したおかげで、日中はエアコンの効いたオフィスで過ごせるのが救いだった。

UKのビーチや国立公園は涼を求める人たちでごった返していた。

 

暑い日が続く中、ごった返しているところがもう一つニュースにでていた。

それは、フランスとイギリスの間にある海、ドーバー海峡。

英仏海峡の中で、一番両国間の距離が短かいところで、イギリスのドーバーとフランスのカレイという街の間にある海峡だ。

イランやアフガニスタン、それにシリア等の国からフランスに辿り着いた難民の人たちがゴムボートに乗って次から次にたくさんドーバーに到着しているシーンが新聞やTVのニュースで毎日のように取り上げられていた。

なんでも、この8月の10日間のあいだに1000人以上の人たちが漂着したらしい。

今年になってからはすでに5000人近くの人たちが、ゴムボードで到着し、この人数は昨年の倍だとか。

ニュースに出ている映像や新聞の写真を見ると、このゴムボートはどうみても定員をかなりオーバーしているくらい、ギューギュー詰めに見える。

もし強風や大波がきたら、あっという間に転覆してしまいそうな感じだ、

数年前からこのようなボートで地中海を渡り、ヨーロッパに到着する難民が急上昇していて、時化た海で転覆死する難民の人も何百人にも及ぶと聞いて心を痛めていた。

中にはまだ赤ちゃんや幼児も…。

ここ最近になって、ヨーロッパに着いた後、今度は同じようなゴムボートでUKをめざす難民の人たちが増えた。今まではUKに来る難民の人たは大陸から来るトラックの中に隠れたり、中にはユーロトンネルを走る電車の下につかまって(!)来る人たちが多かった。

今年こんなにたくさんの人たちがゴムボートでくるようになったのは、やはり天候がよく海も時化てないからなのかしら、とふと思った。

毎朝、会社に着いた後キッチンでお茶を作っていると、壁にかかったTVにはボートに乗った難民の人たちの救出作業がドーバー海峡で繰り返されている様子が映っていた。

お茶を飲みながら同僚たちと「どうしてフランスに留まらずに、命を賭けてでもUKに来たいのかしら?」と話していた。

「それは食事がおいしいからだよ!」というような全くウケない冗談を言うイギリス人同僚もいたが、ニュースのインタビューを受けていた難民の人は「イギリスの方が親切だから」と答えていた。

 

UKのロックダウン緩和後、この難民の人たちがUKに向かって出発する国、フランスへ多くのイギリス人達がホリデーで訪れていた。特に8月は学校の夏休みということもあり、家族連れもたくさんフランスに行っていた。

コロナがまだまだ世界のあちこちで蔓延している中、もし地球の裏側まで行って、3月に起きたように突然国境閉鎖になってUKに戻ってこれなくなったら困る。ということで、海外旅行は近場のヨーロッパのリゾートに行く人たちが多かった。

そのような中、「8月15日(土)の朝4時以降にフランスからUKに入国する人は14日の自己隔離が必要になります。」という勧告が2日前の8月13日に発表された。

この発表があった後、ニュースではホリデーの予定を早く切り上げて何がなんでも15日の朝4時までにUKに帰国しようとする人たちで混乱状態の空港やフェリーの港、それに列車の駅が映っていた。

なんでも13日から2日先までは全てのフランス発フェリー、ユーロスター、ユーロトンネル(車ごと乗れる列車)、それにフライトが満席状態だと早速ニュースに流れていた。

帰国ラッシュがピークの14日は、UKに向かってドーバー海峡を渡る満員状態のフェリー、難民の人たちが乗っている多くのゴムボート、そしてその下の海底では満員状態のユーロスターと、ユーロトンネルが、そして空は満員状態のフライトが通過していた。

飛行機も列車も、フェリーにも乗れなかった人は、UK帰国後14日間の隔離をすることに…。

このニュースを見て、「やっぱりしばらく海外旅行はやめておいた方がいいね」と夫と話していた。

しかし、10月に延期してある私たちのスペイン行きはいったいどうなるのぉぉ~!?

 

いよいよ学校が再開!

8月も半ばを過ぎた頃、外を歩いていると近所の学校の周りのあちこちの電柱に見慣れない看板が立ち始めた。

それはコロナ対策のためのいろんなサインが描かれた看板だった。

最近ではもう見慣れた「Wash your hands - 手を洗いましょう」等の他に

「Only use your own school supplies – 自分の学校用品だけを使いましょう」や

「Avoid hugging and contact with others – 他の人とのハグや接触は避けましょう」

「Walk or cycle to school – 学校へは徒歩か自転車で」

と書かれたサインも。

これらのサインの一番上には大きな文字で「Welcome back to school」とあった。

これを見て、「そうだった、8月26日から新学期がスタートするんだった!」と気づいた。

全国のロックダウン規制が緩和され始めた7月に、レスター市はローカルロックダウンに入ってしまったため、夏休み前から学校は閉まったままだった。

「ついに学校も再開されるのかぁ~。子どもたちにもやっと平常が戻ってくるのね~。」と人ごとながら安堵した。

特に低学年の子供さんをもつ親はロックダウンが始まって以来ずっと家で家庭学習や、子供を飽きさせないようにいろんなアクティビティを用意したりと大変だったと思う。

5歳の子供がいる私の親戚の姪っ子も「コロナが落ち着いたら早く学校が始まってほしい!」

と言っていた。

今までひっそりしていた学校にもまた子どもたちのにぎやかな声が戻ってくると思うと少し嬉しい気分になった。

f:id:Elsaleo:20201106001444j:plain
f:id:Elsaleo:20201106001414j:plain
新学期を前に学校の周りにはこのような看板が立ち始めた

 

不安な数字

ロックダウンが緩和されてからというもの、ずっとコロナの感染数は停滞していたと思っていた。しかし8月27日のニュースでは、1日の新感染者数が1522人になり6月以来高い件数だと!

なんだかいやな予感…。