2021年7月 – その1:ロックダウン規制全面解除 – パティシエやマッチョな人はどこに?

デルタ異変種類が急上昇中にコロナ規制が全面解除へ

3月から始まった4段階からなるロックダウン規制解除プランの最終段階は6月21日の予定だったのだが、デルタ異変種が蔓延してきたため、7月19日に延期されていた。

しかし、7月に入ってもコロナの感染者数の数は下降するどころか、どんどん急上昇…。

1月にピークだった時以来の高い感染者数を記録していった。

 

最終規制解除では、若者たちが濃厚接触しやすいナイトクラブやダンスクラブ、それにフェスティバルなどのイベントも解禁になるので、「本当にこんな状況の中、本当規制を全面解除しちゃっていいのかしらね?」などと言いながら会社の同僚たちとまた心配していた。

 

特に学童児を持つ同僚は、「これでまた感染する子供が増えて、いつ学級閉鎖になるかハラハラしながら暮らさないといけなくなるわ。今でも数クラスがすでに閉鎖になってるというのに!」と不安を隠せない。

 

こんな心配とは裏腹に予定通り7月19日からイングランドでは規制の全面解除が決行された。

日付が19日に変わる夜中の12時に、ロンドンのダンスクラブではパーティーが繰り広げられ、入り口まで超長蛇の列ができている模様がニュースにでていた。

まるで平常時の大晦日パーティーのよう!

しかもまだワクチンも打ってなさそうな年代の若者たちが大勢…。

「本当に皆大丈夫なのかしら…?」とその映像を見ているだけで心配になってきた。

 

今回の最終規制解除では...

  • マスクの着用が義務ではなくなり、個人の自由に。

  しかし、ロンドンの公共の交通機関では着用が必要。(スコットランドでも)

  • 今まで閉鎖していた残りの産業やサービスが再開。

  (音楽フェスティバル、イベント、ナイトクラブ、など)

  • 結婚式やお葬式に参加する人の人数制限の排除。
  • レストラン、スポーツジム等の公共の場所に入る際のQRコードのスキャンは不要。コンタクト先を記録するかどうかは事業主に任せる。
  • ケアホームでは訪問客数の制限が解除に。

  しかし、予め指定された訪問客のみ訪問が可能。訪問する前に迅速テストを行い陰

  性であること。

  • 学校でのスクールバブル・システムは8月6日より廃止
  • ワクチン接種が2回完了している人は、グリーンとアンバー(黄色)の渡航先から帰国した際は隔離不要。(やった、日本もアンバー国!)

 

などなど。

要はこれからは、政府が規制しない代わりに個人の判断に任せるということだろうか。

しかし規制が全面解除された7月半ばには、イギリスの1日のコロナウィルス感染者数は5万人に達したと発表され、個人的には「まだまだ油断はできん!」と気を引き締めた。

 

また、「グリーンとアンバーのカテゴリーに入っている国から帰ってきた際は隔離不要」と発表があった後、アンバー国のフランスが突然「隔離要」になってしまい、安心してフランスにホリデーに行ってしまった人たちから不平・苦情がでていた。

まったく規制緩和になったといっても安心はしていられない!

 

解除があった日にスーパーに買い物に行ってみると、大多数の人たちはまだちゃんとマスク着用していた。

コロナ前の時代ではマスクを着用する習慣のなかったイギリス人。

「規制が解除された途端にまた以前のようにマスクなしの生活に戻る人が多いのかな?」

と思っていたけれど、大多数の人たちはまだマスクを着用していて、用心深いようで安心した。

大手のスーパーでは「マスクの着用は個人のチョイスです」と言いながらも、「安全のため、なるべく店内ではマスクを着用してください。」というポスターがでていた。

 規制が緩和されて、マスク着用は義務ではなくなったので、「お願い」というスタイルに変わったようだ。

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左:2020年7月にマスク着用が義務化された時にスーパーに貼られたポスター

「マスクを着用して下さい」とある。

右:1年後の今回の規制緩和後に同じスーパーに貼られたポスター

「マスク着用は個人のチョイスです」とあるものの、下には「スタッフやお客様の安全のために、できるだけマスク着用は引き続きお願いします。」とある。

 

 

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もう1つの大手スーパー、テスコのポスター。

左:2020年7月にでてきた看板には「店内ではフェイスカバーを着用してください」

とある。

右:規制緩和後に出てきた看板。

「安全のため、店内ではできるだけフェイスカバーを着用してください。」とある。

 

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個人商店では規制緩和後も「マスクを着用してください。Covid-19はまだ去っていません。」という看板が置かれていた。

 

ロックダウン解除のニュースを聞きながら、私はふとロックダウンが始まった頃を思い出していた。

去年の3月にUKの全国ロックダウンが始まって、この全面解除に至るまでかれこれ16 か月。この 16 ヶ月の間にこのイギリスでもマスクの着用が当たり前のこととなったり、リモートワークが日常になったりと、いろんな変化があった。

ロックダウン初期の頃、一時は小麦粉やドライイーストがスーパーの棚から消えたり、エキササイズ用のウェイトやヨガマットが売り切れになったりしていて、お菓子やパンを焼く人や、家の中でフィットネスをする人も増加した。

「ロックダウンが終わった頃には、きっとこの国はパティシエやマッチョな人で溢れてるのでは...?」と思っていたのに16カ月後の今、私の周りでは誰一人としてこんな人はいない!!

マッチョどころか、ロックダウン太りになったというケースの方が…。

 

そう言えば、新しい言語を学ぶ人が急増したというニュースもあったような気がしたが、多言語をペラペラしゃべれるようになった人も見受けられない。

何を隠そう、私もロックダウン中は 韓ドラにはまっていたので、夫がクリスマスプレゼントの1 つとして韓国語の学習キットを買ってくれたのだが、まだ箱に入ったまま開封されていない。 (ごめんなさい!)

この規制だらけの16ヶ月、何かいつもと違うことにチャレンジしようと思う機会があっただけでもいいとしよう。

 

規制が解除されたおかげで、今まで閉鎖していたビジネスが再開されるのは喜ばしいのだが、通勤時の渋滞だけは戻らないで欲しい!