2021年6月 – その2:結婚式に参加する

ついに甥の結婚式が実現!

31歳になる夫の甥っ子は今年の3月に結婚式を挙げる予定だった。

去年、2020年の3月にUKが全国ロックダウンに入った時は、親族の皆と

「よかったねぇ、結婚式が来年の予定になってて!」とか

「来年の3月なら1年後だし、いくら何でもこのウィルスも収束してるよね。」

などと、1年前から結婚式の計画をたてていた甥のことを思いながら、皆で安堵していたのを覚えている。

しかし…。

1年でコロナウィルスの蔓延は収まるどころか、今年の3月はUKはまだロックダウンが続いていた。

ちょうど今年の3月からロックダウンの規制緩和ロードマップ(段階を踏みながら徐々に緩和していくプラン*)が開始されることになっていたので、この計画が発表された2月の時点で、3月に結婚式をするのはもう無理だとわかっていた。

(*詳しくは「2021年2月-その3」を。)

 

計画通り進めば4月12日からの「緩和ステップ2」で15人まで、5月17日からの「ステップ3」で30人までが結婚式に参加できるようになるという事だったので、甥たちは6月に身近な親族だけ30人を招いて式を挙げることにした。

 

最初の計画はでは、花嫁・花婿双方の親友や親族を全員招いて、教会で式を挙げた後、市内の大きなホテルでレセプション(お食事会+その後ダンスパーティー)を開く予定だったらしい。

しかし、この1年の間コロコロと規制が変わる中、「最初の計画通り結婚式を挙げられる日を待っていては、いつまでたっても結婚できそうもない!」

ということで、「取り急ぎできる時に結婚式を挙げてしまおう!」ということになり、30人参加できる6月になった。

 

30人なので、花嫁、花婿の直系家族(両親、祖父母、それに兄弟姉妹)、それ以外だと、各家庭から代表で1名が出席することになった。

我が家からは叔父にあたる私の夫が出席することに。

 

私は甥が結婚すると決まった1年前、「うわぁ!久しぶりの結婚式に参加するの楽しみ~!たまには着飾ってお祝いの場に出るのもいいよね! 何を着て行こうかな..。」

などと夫と話しながらウキウキしていた。

しかし、この1年間おしゃれして出かけることもなく、家にずっと篭る日々が続いたり、コロナに感染してベッドの上で1ヶ月過ごしたりしている間に、すっかり出不精になったのか、「華やかなところに着飾って行くなんて、億劫!」とすら思えてきた。

もちろん、甥の結婚をお祝いしたい気持ちは十分あるのだが…。

 

というわけで、我が家からは夫が代表で参加することになったと聞いた時「やった、私は出席じゃなくてよかったぁ…!」と胸を撫で下ろしてリラックスしていた。

「いったいいつの間に、こんな私になったのかしら? いかん!いかん!」

と頭の中で自問自答…。

しかし仕事に復帰した今、着て行く服や靴を探す時間も限られてるし、式に参加しないおかげで何を着ていくか考えなくて済んだだけでもホッとした。

 

ところが…。

結婚式の1週間前になって式に参加するはずだった甥の叔母である、私の義妹が肺炎になってしまい、欠席することになった。

その後すぐに甥から私に代わりに出席してくれないかとの打診が…!

もちろん「No」とは言えず、せっかく誘ってくれたので「Yes!」と返事して参加することに。

とは言ったものの、1週間前を切っていてもう週末も終わってしまったので、街に買い物に行く時間もない。

私は慌ててワードローブの中を検索し、息子の大学の卒業式用に買ったワンピースを見つけた。ロックダウン腹が気になっていたが、なんとか息を吸いながらファスナーをすれば入った!

「これで服はよし!」

でもパーティー用の靴がない…。

夫は前々から出席するとわかっていたのに、私が慌てて着ていくものを探しているのをみて突然自分も焦りだし、式に着ていく服をワードローブから取り出して準備をはじめた。しかし、ズボンをはいてみると入らないではないか!

今までロックダウン中はゆったりとしたジョガーパンツをはいて毎日過ごしていたせいか、いつの間にかロックダウン腹になっていたことに気づいてなかったようだ。

結局私は1日有給休暇をとって、夫と買い物にでかけて、私は靴を、夫はズボンとシャツを購入することになった。

これでやっと準備OK。

 

結婚式は6月19日(土)だった。

当初は教会で式、そしてホテルでレセプションの予定だったのだが、今回はレジスターオフィス(市役所の敷地内にある、市の施設で宗教に関係なく結婚式を挙げられるところ)で式を挙げたあと、甥夫妻の住んでいる近くにあるソーシャルクラブでビュッフェ式のパーティーをこじんまりとする事になった。

そして、コロナが落ち着いて、完全に規制がなくなったら今回出席できなかった人たちを全員呼んで教会とホテルの結婚式をやり直すらしい。

新婦さんは「このドレス2回着れることになりそう~。体型を保たなくちゃ!」と言っていた。

 

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新郎と新婦はこのビンテージカーに乗ってレジスターオフィスに到着

レジスターオフィスに着くと、1年近く会ってなかった親族の人たちとも再会し、近況報告をしながら話がはずんだ。

みんな久しぶりにお出かけ用の服を着てたので、お互いに「You look nice!」を言い合ったり「やっとこの結婚式が実現してよかったね。いろいろ予定を変更するの、大変だっただろうに。」などと話していた。

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レジスターオフィスの中。ソーシャルデイスタンスのため椅子と椅子の間隔があけてあり、30人まで入れるようになっていた。 新婦が入場するのを待っているところ。

レジスターオフィスでの式は30-45分くらいで簡潔に終わり、そのあと午後はソーシャルクラブへ移動し、ビュッフェのランチ、そして夕方からはDJが来てダンスタイムもはじまった。親戚の子供たちはノリノリで踊っていた。

(大人の私も…!)

出不精になって「着飾ってでかけるの面倒~!」と思っていた私も、この結婚式で久しぶりに親族の人達と会って直に話ししたり、ダンスフロアで皆と笑いながら踊ったりしてるうちに、「こういう感覚ってなんだか懐かしくていいな!」と思えてきた。

この1年、結婚式が実現するかどうか全く予定のたたない中、計画を2-3回練り直し私たちを招いてくれた甥と花嫁さんにエールを送りたい。

そして幸せな人生を歩んで欲しい。

 

この甥夫婦のように去年から今年にかけて結婚式の予定が狂った人たちが、世界中で何万といるに違いない。

私の勤務先の若い男性の同僚も今年の5月に結婚式を挙げる予定だったのだが、1年待って来年の5月に延期したと言っていた。

他の同僚たちから、「それまで彼女に愛想を付かされないよに気をつけろよ!」

「式を挙げる前に別れることのないように!」などとからかわれていた。

実際、ロックダウン中に別れたカップルもたくさんいるらしい。

そう思うと、できる時にできる範囲で結婚式を決行した甥はいい選択をしたと思う。

これから規制が解除されていく中、結婚式ブームがやってきそう!