ロックダウン11週目(6月1日~6月7日頃) - バカンスがデッキに変身 / BLMプロテスト

学校がスタート&シールディングの人達の外出が可能に

今週の月曜日からイングランドの学校が3学年だけオープンした。

この3学年はレセプションクラス(4-5歳児)、Year 1(5-6歳児)とYear 6(10-11歳児)のクラスで、朝からニュースではソーシャルディスタンス対策のとられた学校の教室や校庭の様子がでていた。

低学年の子供たちは特に友達と一緒にべったりひっついて遊んだり、動きが活発なので、これをコントロールする学校の先生たちは大変だなぁと思う。

学校はオープンしたものの、学校に行かせる、行かせないの判断はまだ親に任せているので、全員が教室に戻るわけでなく、ソーシャルディスタンスは取りやすいかもしれない。

うちのお隣さんや、近所に住む姪っ子のところにもレセプションクラスの子供がいるが、どらも「あと1ヶ月ちょっとで夏休みだし、9月の新学期まで学校には行かせないわ」と言っていた。

 

またこの月曜日から、今まで外出は極力せず家に篭るようにと政府から指示がでていた70才以上のお年寄りや健康上問題のある人たち(vulnerable people)の外出が1日1回できるようになった。最近はこの家に篭っている人たちのことを「Shielding people」とも呼ぶようになった。

70代で、しかも持病のある義母や義父もこのシールディング・グループの中に入る。

義母は昨年の9月に2番目のだんなさんを亡くしてから、一人で家にいるのが耐えられなくなり、我が家や、義弟宅や義妹のところを頻繁に訪問して回っていた。

というわけで、ロックダウンになった時は「一人で家にいるくらいなら死んだ方がまし」とまで言いだし、家族が困惑していた。

しかし2ヶ月以上家に篭った今となっては外にでるのを警戒するようになってしまったようだ。

夫が「庭以外の外にしばらく出てないから、気分転換に公園にでも散歩に行ってみたら?」と勧めてみても、「うーん、ウィルスが怖いからまだしばらく家に篭ってるわ…。」との返事が返ってきた。

この気持ちもよく理解できる。

健康上問題のない私もロックダウン前までは、何も警戒することなく人ごみの中を歩いたり、ショッピングに行ったりしていたが、最近は散歩をしていて、人とすれ違う時でも遠回りしてすれ違うようにしたり、スーパーの通路もなるべく人のいないところから見て回るようになった。人が近づいてくるとつい警戒するようにもなった。

「いろんな制限が解除されてきたけれど、以前のような生活に果たして戻れるのかしら?」

とふと疑問に思い始めた。

 

スペインのバカンスがデッキに変身!

金曜日(5日)の朝、友人から、「あ~あ、今頃わたしたち地中海を眺めながらカクテルを飲んでたはずなのに…」というメッセージが届いた。

そうだった、地中海!

コロナがなければ、今週の金曜日(5日)から友人夫婦と4人でスペインの地中海リゾートへ出発していたはずだった。

ロックダウンで家に篭って2ヶ月の間、出かける行き先といえば家から徒歩1分のコーナーショップか、Click & Collectでオーダーした食料を取りに近所のスーパーくらいだ。

近所を散歩する時も私の行動範囲は半径1.5kmくらい。

私の世界がかなり狭くなったせいか、地中海がやたらと遠い存在に感じた。

先週まで好天気が続いていたイギリスも、今週からまた雨、そしてどんより曇ったいつもの天気に戻ってしまった。

私は空に立ち込めた灰色の雲を窓から見上げながら、頭の中で「太陽の光が反射してキラキラ光る地中海の海」を想像していた。

「あ~、イギリスがこんな天気の時に行きたかったな、地中海!」と一人でため息をつぃた。

ため息をついていると、先日デッキの見積もりに来てくれた夫の甥からメッセージが届いた。

先月はスケジュールが詰まっていた甥も、今週は予定が空いたらしく早速うちに来れることになったので、今週からデッキ作りを開始してくれることになった。

「やった~!ついに長年欲しかったデッキが庭にできる日がきたのね!」

私は夫の前でガッツポーズをして喜んだ。

デッキが出来上がるのが楽しみになってきたので、地中海のことはすっかり忘れ始めていた。

残念ながら外は雨で、庭で作業してもらうのが申し訳なかったが、「暑すぎるより、このくらいの方が仕事がはかどっていいよ。」と言いながら、甥は手際よく基礎作りを1日で終わらせてしまった。

残りの2日であっと言う間にデッキが出来上がった。

今まで芝生の間から生えた雑草が目に障って気になっていたエリアがデッキできれいにカバーされて、風景が変わった。

「うわぁ~、外にもう1つ部屋ができたみたいだね~。」

「ここで天気のいい朝は朝食でも食べようかな!」

私はホリデーに行けなくなった代わりに庭に出来上がったデッキをながめながら早速プランを立て始めた。

外でもくつろげる空間ができたおかげで残りのロックダウン生活も充実しそう!

お天気さえ回復してくれれば…。

天気がよくなったらデッキに座って寛ぎながら地中海のことでも想像するとしよう。

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デッキができる前とできた後 ー ホリデーがこれに変わった



BLM (Black Lives Matter) プロテスト

先週アメリカで黒人のジョージ・フロイドさんが警察官に殺されたのが発端になり、あちこちで人種差別反対運動の1つであるBLM(Black Lives Matter)プロテストの集会が開かれているが、今週末は私の住んでいるレスター市でもこのBLMプロテストの集会が開かれることになった。

警察官にひざで首を押さえられて窒息しているフロイドさんのショッキングなシーンを見て、私の娘も怒りを感じ「何かしなければ!」と思ったらしく、大学の友達やボーイフレンドと一緒にプロテストに参加することになった。

アメリカだけだはなく、イギリスもこのような人種差別がよく取り沙汰されている。

イングランドとウェールズでは「Section 60 of the Criminal justice Act & Public order」(刑法60条)なるものに基づき、「違法なドラッグや武器を保持している可能性がある」というような妥当な理由があれば、警察は通りを歩いている人や車を止めてサーチできる権限がある。

妥当な理由の中に、人種や性別や過去の犯罪歴は含まれていないにもかかわらず、ホームオフィスのデータによると黒人の人たちがこの「ストップ&サーチ」をされた件数が白人のそれに比べると9倍も高いそうだ。

最初から黒人の人たちを怪しいと疑っているのが明らかである。

また2001年の9・11の直後はイスラム系の人たちがランダムサーチされる件数が多くなって問題になっていた。

 

娘がプロテストに参加すると聞いて、つい私は3月にスペインで開かれたWomen’s Day プロテストを思い出した。

このデモがマドリッド近郊でコロナが蔓延した原因の一つだった。

娘が始めてポリティカルなプロテストに参加するのを応援したい反面、まだコロナが収束してないこの時期に集会に参加する事に少し不安を覚えた。

「プロテストに行くなら、ちゃんとマスクして行ってよ。それと、歩く時は前後の人と距離をあけてね!」とつい母親コメントを連発していた。

娘は「わかってる!わかってる!」と言いながら出かけていった。

夕方のローカルニュースではこの日約4000人の人が集会に参加し、デモは無事平和に終わったようだった。

 

レスターで行われたBLMプロテスト

よその街でもこの週末BLMプロテストが行われていたようだが、イングランドの南西部にあるブリストルでは少々過激なプロテストになっていた。

ブリストルの街中に1895年から立っているEdward Colston(エドワード・コルストン)という人の銅像(高さ5.5m)がデモに集まった人達によってロープで巻かれた上に引っ張り倒され、その後大勢のデモ参加者によって近くの海辺まで引きずられ、海に投げ捨てられた様子がニュースでていた。

「このエドワード・コルストンって誰?」私は早速Googleでこの人の名前を検索してみた。

何でもこのコルストン氏というのはブリストル出身の商人で保守党の国会議員でもあったそうだ。1600年代には奴隷貿易にも大きく関わり利益をあげていたが、地元の慈善活動にも多額の寄付をしていたため、その貢献が称えられ、1895年にコルストン氏のブロンズ像が街中に立った。

近年では奴隷貿易に大きくかかわっていたこの人の銅像が街中に立っていること自体が適切ではないとの声があがり、撤去をもとめる署名運動も行われていたようだ。

ということで、今回の人種差別に抗議するBLMプロテストのターゲットになってしまったと…。

多くの人たちに人種差別の問題を認識してもらうためには、プロテスト活動はいいことだと思うが、あまり過激になると、本来の趣旨から外れてしまうのではないかと心配だ。

また、このコロナによるロックダウン中に大勢の人があちこちで集まっているシーンをニュースで見ていると、つい「どうかコロナの感染につながりませんように」と祈らずにはいられなかった。

 

ミズナが豊作!

季節労働者の不足により野菜と果物の収穫ができなくなるかも、というニュースを4月に見て、野菜の種をプランターに植えていた。

https://elsaleo.hatenablog.com/entry/2020/06/02/014706

3種類の種を植えたうちの1つ、ミズナがすごい勢いで育ってきた。

とても小さい種だったので、まき過ぎたのかボサボサになり間引きもしたのだが、一気に育ってきて消費するのが困難なくらいだ。

朝から湯豆腐と一緒に食べたり、お昼はサラダにしたり、夜は味噌汁に入れたりと毎日3食にミズナづくし!

仕事に行っていたら同僚たちに分けてあげられたのだが、今はがんばって我が家で消費するしかない。これからしばらくミズナを食べて暮らすことになりそう…。

  

茂ってきたミズナ

 

この週UKのコロナによる死亡者数の合計は39121人⇒40631人*に。

4万人を超してしまった。

(*coronavirus.data.gov.ukより)