ロックダウン3週目(4月6日~4月12日頃)ーどこにも行けないイースター休暇

首相が心配….

今週は週が明けた途端、先週入院したボリス首相がICUに移ったという不安なニュースが流れてきた。

入院したというニュースが出た時はどちらかというと「念のため」といった感じに捉えられていたが、ICUに移ったと聞いてかなり様態が悪いのではと心配..。

コロナに感染してICUに移った後、無事に退院できる確率は50%だと聞いてみなで心配していた。

デイリー・アプデートで記者たちの「首相の様態はどうですか」という質問に「continue to improve(病状は向上し続けてます)」と答えていた外相+国務大臣のドミニク・ラーブ氏の顔がそのコメントとは反比例するかのようにこわばっていて、一緒にTVを見ていた家族たちと「ひょっとしてよくないんじゃない…?」と疑った。

週の終わりに無事退院のニュースが流れてきた時は、皆でほっと胸を撫で下ろした。

WhatsAppには早速、ボリス首相を画像に取り入れた映画「オースティンパワーズ」のパロディービデオクリップが送られてきた。入院中お世話になった看護婦・看護師の人たちに感謝しながら、ロンドンの街中のパレードで躍っているシーン…。

退院のニュースあと、すぐにこんなビデオができるなんてすごい!と関心してしまった。

 

クイズ出題作成プロジェクト

先週のZoomクイズ大会で優勝して、今週は私+息子+娘のチームが出題役になったため、質問を考える1週間だった。

出題用にPower Pointのスライドを作成したりして仕事より真剣に取り組んだかも。

家に篭って3週目にもなると、毎日が同じことの繰り返しで曜日の感覚もなくなりかけていく感じがしていたので、「金曜日までにクイズの質問を完成しなければ!」という目的ができていつもよりハリがでた。

会社で行うミーティングの代わりに息子たちと「クイズ作成ミーティング」も開いた。

金曜日のクイズ大会に間に合うよう、何とか木曜日までに質問の用意が完了!

やっぱり目的のある生活って達成感を得られていいなと思った。

たとえそれがクイズの出題作成でも….。

何か他に家の中でできるミニプロジェクトでも探さなければ!

 

スーパームーン

水曜日(8日)の午後、日本の友人から「スーパームーンが見えたよ~」という写真が送られてきた。日本時間の夜10時くらいだから、外は真っ暗なはずなのに、明るい月がスポットライトのように夜空を照らしているきれいな写真だった。

「おお~、こっちでも今夜みれるかな…。」

TVでは相変わらずコロナの話題でもちきりで、あまりスーパームーンの事には触れられてなかったので、夜になっても夜空を見上げてる人の気配はなかった。

夜10時前に庭にでてみると、見えた、見えた、明るい月が!

夜空におおきな電球が浮いているかのように。

早速イギリスの空から見えたスーパームーンの写真も日本の友人に送った。

久しぶりにコロナ以外の話題ができて、心が和んだ夜だった。

      

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農家に出稼ぎGo!

今週のニュースでは、農家で季節労働者が不足していて、この状況が続くと多くの野菜や果物を収穫できずに畑で腐らっせてしまうという事になるという話題がでていた。

98%の季節労働者は通常ブルガリアやルーマニア等の東ヨーロッパから来ていたが、このコロナでUKに多くの人達が来れなくなり深刻な労働者不足に陥ってるらしい…。

何でもUK全体で9万人ほどの労働者が野菜と果物の収穫に必要とされてるらしく、コロナで休職中の人や、学生を対象に「Pick for Britain! – (国のために収穫しよう!)」というキャンペーンを始めたようだ。

農場には季節労働者が寝泊りできるキャラバンと言いわれるトレーラーまで用意されてる所もあるとのことで、私はまた就職活動停止状態の息子に「いい経験だから、野菜と果物を収穫に行ってみたら?」と進めてみた。

「またその話?」といわんばかりに、「うーん…」という消極的な反応しかなかった。

私は早速ネットで、季節労働者を募集している農家が近くにないか検索してみた。

一番近いところは越境しないとない。約50キロほど離れたところだ。

「ちょっと無理かね..。」という私のコメントに息子はほっとしたようだった。

 

また数日後のニュースでは、大きな農家の経営者たちが自らお金を出して飛行機をチャーターし、ルーマニアから季節労働者を呼び寄せる予定だとも報道していた。

インタビューされていたUKに来る予定のルーマニア人は「必要とされているなら行くよ。ここに居てもUKに居てもコロナは心配だけど、ここには仕事がないからね。」と言っていた。さすが、50kmの距離で断念した息子とは心構えが違う!

野菜と果物を収穫に来てくれてありがとう!と心の中で感謝した。

しかし飛行機をチャーターしてまで収穫に来てもらわないといけないなんて、かなり深刻なのかも、と不安になってきた。

このロックダウン中、食料がなんとか流通しているから家に篭っていられるけれど、これで野菜も果物も手に入らなくなったら!!私はまたパニックに陥りそうになった。

私も在宅勤務をしてなかったら、お手伝いに行きたい気分だ。

「しかし、野菜も果物も流通しなくなった時のために家庭菜園でも始めたほうがいいかしら…。何かを植えるなら、植えどきは春先の今だわ!」

私は昨年の秋、日本に帰省した際にイギリスでは売っていない「しその葉」や「三つ葉」や「みずな」の種を買ってきたのを思い出した。

そうだ、あの種を植えてみよう!

早速私はプランターを買いに行き種をまいてみた。

夫が「何を植えたの?」と聞いてきたので、「これ!」と言いながら種の入っていた写真つきの袋を見せた。

「ふーん、あまり食糧難になってもお腹いっぱいになりそうもないね..。」だと。

確かに…。

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野菜の種をプランターに植えてみた。芽がでますように...。

 

ありがとう、オンラインショッピング!        

ロックダウンになる前、私は車通勤していることも手伝って、ちょっとしたものが切れてもすぐにスーパーやショッピングセンターに寄って買い物したり、他に切れかかってるもので目についたものを調達したりしていた。

また大きなショッピングセンターに寄ったときは服やさんやインテリアショップにも立ち寄り、なにか掘り出しものがないか見て回るのも楽しみだった。

ところがロックダウン後、開いているお店はスーパーマーケットくらいで、しかも並ばないと入れないため、そう頻繁には行けない。

洋服やさんやインテリア用品店など「non-essential(非必須)」のお店は閉まってしまった。

しかし、このロックダウンがネットショッピングの発達したこの時代で本当に助かったと痛感した。

仕事や食事にも出かけないので、もちろんおしゃれな服は必要ないが、家に篭るのに楽ちんなラウンジウェア(家着)が欲しいなぁ~、と思えばネットで買えるし、いままで忙しくて目にもとまらなかった廊下に敷かれたラグが古くなってると気づけばアマゾンンで買えるし、家族4人で一日過ごしてる間に皆でお茶を飲んでると回転しなくなくなるマグカップがもうちょっと必要だと思えば、これもネットで買える。

いつもジムに着ていくフィットネスウェアはスポーツブランドのオンラインショッピングを利用してたが、ロックダウンになった後、これらのオンラインショップからセールのお知らせがよくくるようになったので、これも利用してランニングシューズや、家でオンラインクラスをする時のウェアをかなり安く買ったりした。

車通勤をしなくなってガソリン代が浮いたというのも頭にあって、ロックダウン生活に必要なものや、食料以外に必要なものはオンラインショッピングを手軽に利用し始めた。

このオンラインショッピングで何が一番嬉しいかというと、買った物自体もそうだが、デリバリーが届く時だという事に気がついた!

家に篭っていると、ドアがノックされるのがとってもエキサイティングなイベントなのだ。

配達の人もソーシャルディスタンスを保つため、ドアをノックしたあと、届け物をドアの前に置いて、ドアから離れて待ってくれる。私が受けとったのを確認すると手を振って去っていくという具合だ。

「トントン!」とドアがノックされると

「おお~!デリバリーだ!」と叫びながらドアを開け、配達の人に「サンキュー!」と言ってドアの前に置かれた物を受け取る。

この小さな出来事が、クリスマスにサンタが来たときのような出来事に思えてきた。

というわけで、お店は閉まっていてもこのオンラインショッピングのおかげで、必要なものは手に入るし、小さな幸せも感じることができる。

ありがとう、オンラインショッピング!それと配達屋さん!

 

今年のイースター・ウィークエンド

この週の金曜日(10日)から月曜日(13日)にかけてはイースター・ウィークエンドで、本来なら週末をはさむ4連休だ。

いつもなら学校もこの週末をはさみ前後2週間お休みになり、多くの人が国内外にホリデーに出かける週。

イギリスは先進国の中でも国民の祝日がやけに少ない。

1月1日のお正月のあと、このイースター・ウィークエンド(金曜日のGood Friday, 月曜日のEaster Monday)がその年の初めての祝日になる。

その後は5月に2日、8月に1日だけの祝日があって、次の祝日は12月のクリスマスまでない!

というわけでこの春にやってくるイースターの連休をみな心待ちにしちる。

しかし、このイースターの祝日も今年はロックダウン中のため、残念ながら国民はどこにも行けない。

祝日と言っても、学校は休校中、仕事も在宅勤務中なので、今年はあまり祝日感のない連休だった。

政府は、このイースターホリデーも国民に家に居るよう「Stay home this Bank Holiday weekend(この連休は家に居ましょう)」と呼びかける広告を新聞やネットに出していた。

    

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「この連休は家に居ましょう」という広告が新聞の一面にでていた

「他の国では、今年イースターホリデーはどうなってるのかしら」と思ってネットでニュースを読んでみた。

「イースターは家に居ましょう!」という呼びかけでいいなぁ、と思ったのはニュージーランドのジャシンダ・アーデン首相のコメントだ。

「今年はイースターバニー(イースターのチョコレートの卵をもって来てくれるうさぎ)はコロナがはびこっている間は来れないかもしれないけど、イースターバニーたちもエッセンシャルワーカーです。」

私はニュージーランドのモスクでテロ事件があったとき、すぐにスカーフを頭にまとってイスラム教の被害者の家族たちと寄り添っているアーデン首相の姿を見てから彼女のファンになったのだが、子供たちに向けたこのイースターバニーのコメントを聞いて微笑んでしまった。

来年は子供たちがエッグハントのイベントを楽しめますように!

 

この週UKのコロナによる死亡者数の合計は6433人⇒12285*1週間で恐ろしいほど増加。

(*coronavirus.data.gov.ukより)