ロックダウン9週間前(1月20日~26日頃) 対岸の火事

昨年の秋から今年の3月始めまでUKではずっと雨ばかりが続いていた。ウェールズやイングランド西部では広域に渡って洪水で大被害が出たくらい雨ばかりだった。

毎日のように灰色の空ばかり見ていて私の気持ちもどん底に暗くなっていた頃、「何か楽しみになることでも作らなきゃ、気持ちが沈むばかり!」と友人夫婦と6月にスペインの地中海リゾートへ行く予定もたて、飛行機とホテルの予約も完了したばっかりだった。「青い空と青い海を見るの今から楽しみ~!」と友人と話していた。

 

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UKで洪水被害があちこちでて、写真のように灰色の天候が長く続いていた1月中旬、会社のキッチンの壁に掛かっている大型TVの画面では新たなニュースが流れてきた。

キッチンのTVは常にオンになっているので、お茶を作ったりランチを食べにキッチンに入るといやでもニュースが目に入ってくる。

 

昨年末からニュースで取り上げられていた中国のWuhan(ウーハン=武漢)で発生したコロナウィルスの拡散を防ぐため1月23日から都市閉鎖になったと!

一緒にニュースを見ていた同僚がすかさず「SARSに続きまた中国からウィルスが発生だね!」とつぶやいていた。 そうだった!SARS の時も出処は中国だった…。

ウーハンといってもその時は中国のどこかもよく知らなかった。

大昔私が学生だった頃、中国を旅して回ったことがあったけど、広州、上海、北京などの主要都市しか行かなかったし、その他の都市だと今勤めている会社の工場がある蘇州やアモイくらいしか知らない。おそらくイギリス人でウーハンがどこにあるかと聞かれたら答えられる人は小数だろう…。

 

キッチンでお茶を作ったあと自分の机に戻るとPCに向かい、Google Mapで早速ウーハンがどこにあるか確認!上海から西に向かって850kmくらい内陸に行ったところだ。「こんなところで、ウィルスが蔓延してるのね…。」

UKから見たらかなり離れてるし、上海や北京のようにロンドンから直行便がでているような都市でもない。ウーハンに住んでる人には気の毒でな気持ちがあったけど、ここからはかなり離れてるためか対岸の火事のようにニュースを見ていた。

「年明けから悪いニュースだねぇ。早く中国国内で収まるといいけど…。」と同僚たちと話していた。

ちょうどその頃ロンドンのヒースロー空港では中国から到着したフライトに乗ってきた乗客を対象にスクリーニングテストを開始したというニュースもでていた。

そのニュースを聞いてなんとなく安心していた。予防策を講じるにこしたことはない。

でもコロナウィルスに感染してても潜伏期間が14日間あり、症状がでてない間に入国している可能性があることをその頃はあまり頭をよぎってなかった!