12月 - その3 クリスマスの規制緩和はキャンセル!/ クリスマスルールVersion 2
クリスマスの規制緩和はキャンセルに…
11月から始まったUKのロックダウン2もやっと終わって、「Tier規制はかかっているけど、そろそろ少しづつ平常が戻るかも」と思いはじめた矢先、12月も半ばになると隣国のあちこちから悪いニュースが入ってきた。
ドイツ
12月16日~年明けの1月10日にかけてハード・ロックダウンに入る(ノン・エッセンシャルなお店以外は学校も含めて閉鎖)
コロナの感染者数が急増している原因はクリスマスショッピングにあるのではと…。
フランス
1日の感染者数が1万人を越しているフランスは夜8時~朝6時までの外出禁止令がでた。1月半ばまで続く予定らしい。(クリスマスイブのみは例外)
イタリア
12月21日~1月6日の間、地域間の移動が禁止になった。
正しく人々の移動が多くなるクリスマスの休暇期間中に…。
クリスマス、ボクシングデー、そして大晦日は自分の住んでいる地域からでてはいけないことになったらしい。また夜10時~朝5時までは外出禁止令もでた。
12月になって、イタリアのコロナによる死亡者数がUKを抜いて65,000人に達したと。
会社ではまた同僚たちと「もうヨーロッパの国々、今年のクリスマスはなしだね~。」
「UKもロックダウン終わったけど、この調子じゃもう1回くらい感染の波が来るんじゃない?」
「私たちのクリスマスもどうなることやら..。」
などと心配していた。
そのような心配をし始めたと同時に、ロンドンが「ティア2」から「ティア3」の規制レベルに上がると発表があった。
ロックダウン2が終わった後、イングランドの北中部のほどんどの中都市は「ティア3」の規制がかかったのに、大都市ロンドンはなぜかこれより規制の緩い「ティア2」だった。
12月16日からは、今まで開いていたロンドンの飲食店も他の「ティア3」の地域と同様に閉まることになった。
この発表があった途端、ニュースでは「最後の外食」と言いながら食事に来た人で賑わっているロンドンのレストラン街が映っていた。
コロナ対策で店内のテーブルの数が減らされていてるのか、中に入れない人は外に置かれたテーブルに毛布や防寒着にくるまって食事をてる人もいた。
会社のTVでこのニュースを見た時は、同僚と皆で「ここまでして外食に行きたいかい?」
と首をかしげてしまった。
そう言えば春や秋のロックダウンの時もそうだった。
パブが閉まると発表があれば、たくさんの人達が「The last pint (最後の一杯)」と言いながらパブに押しかけた。
「この国の人は『最後のXXX』が好きだよね~。」
「もう外食したり飲み行くのは一生できないとでも?」
と会社のキッチンでお茶を作りながら皆で不思議に思っていた。
人が集まるのがリスクだから閉めると言っているのに、こんなに人が来ることによって更に感染者数が上がるのでは?と不安すら覚えた。
そしてその不安はクリスマスが近づくにつれ、だんだん現実身を帯びてきた。
12月19日の首相の発表で、ロンドンが新たに導入された最高の警戒レベル「ティア4」になると!
ロンドンの他、イングランドの南東および南部の地域では南アフリカからきたコロナウィルスの異変種(Variant)が急速に広まっているらしく、12月のロンドンの感染者数の60%はこの異変種だとも。しかも感染力は今までのウィルスより70%も強いとか。
保険相のハンコック氏も「Uncontrollable variant (コントロール不可能な異変種)」と言っていた。
このコントロールのできない異変種の拡散を防ぐためにも、このロンドン及び南部の警戒レベルが過去最高レベルになったのは理解できる。
私も心の中で「どうかここ、中部にこの異変種ウィルスが来ませんように~!」と祈っていた。
この新たに導入された「ティア4」は事実上ロックダウンと同じで、ノン・エッセンシェルなお店やビジネスが全て再び閉まることになる。
11月のロックダウン2が終わったのが12月2日だったので、再開したばかりのお店や、飲食店、そして映画館やスポーツジムもあっという間にこの「ティア4」の地域では再び閉まる事になってしまった。
クリスマスルールVersion 2
そして、これに共ない今月始めに発表されたクリスマス期間中のルールも変更された。
クリスマスルールのVersion1では、12月23日~27日の5日間、最大3世帯まで一緒に過ごせるバブルを組むことができる予定だった。(イングランドの場合)
新しく更新されたルールでは…
ティア4の地域(ロンドン及びイングランド南東部)
- クリスマスバブルのルールは取り止め
- クリスマス期間中でも他の世帯の人たちとの交流禁止
- 家族に会うためであっても、他のティアレベルへの移動は禁止
ティア1~3の地域
- 他の世帯との交流は25日のクリスマスの日のみで、交流できるのは最大3世帯まで
となった。
この発表があった同日、鉄道の主要駅や幹線道路がロンドンを脱出する人たちであふれている様子がニュースにでていた。みんなクリスマスを家族と過ごすために…。
私の友人の息子さんは3年前に大学を卒業したと同時にロンドンで就職し、それ以来ロンドンで一人暮らしをしていたが、春のロックダウン以降リモートワークが可能になったので、夏からはロンドンの賃貸を引き払って、実家に帰ってきていた。
ロンドンでの高い家賃を払わなくいいのと、通勤しなくていいのとで、金銭的にも時間的にもかなりセーブできたと言っていた。
ロンドンが「ティア4」になって、クリスマス休暇に実家に帰れない人がたくさんいるとニュースで聞いて、「息子さん、夏のうちにロンドンを引き揚げててよかったね!」と友人と一緒にほっとしていた。
もう一人の知り合いの娘さんは1年前に同じく大学を出た後ロンドンで働いていたが、今回の「ティア4宣言」の後実家に帰ってこれず、一人でクリスマスを過ごすことになった。
久しぶりに娘さんの会うのを楽しみにしていた知人はとても残念そうだった。
我が家の息子は大学卒業後就職活動の真っ最中に、娘は卒業中にロックダウンだったので、二人とも卒業後下宿を引き払って以来家に戻ってきていて、幸か不幸かずっと親の私たちと過ごすことになってしまった。
でも今回のロンドンのニュースを見て、「今年は二人とも独り立ちするはずが親とずっと過ごすことになってしまったけど、クリスマスにひとりぼっちにならなくてよかったかも…。」とちょっと安心した。
今年のクリスマスは多人数の親族で集まらず、各家庭+義母または義父と過ごすとに親族の間で決まっていたので、新しいルールになっても、この予定でいくことにした。
我が家は義母と一緒に過ごすことになったのだが、クリスマスの日の朝、起きたら一緒にプレゼントを明けれるように前日のイブから我が家に泊まることになった。
一応義母は我が家のサポートバブルに入っている。
「いつものように人が大勢来ないなら、クリスマスの飾りつけもめんどうだからやらなくていいかしら~。」
と気持ちはもう「クリスマスはキャンセル!」モードだったのだが、義母も泊まりで来ることになったことだし、娘からも「だめだよ、ちゃんとクリスマスの飾りつけしなきゃ!」と活を入れられたので、いつもの通りツリーやデコレーションもなんとかがんばって飾った。
これでなんとかこじんまりだけど、クリスマスを迎えられるかな…。