2021年3月 その3: COVID-19ワクチンを受ける / あれから1年...
COVD-19ワクチン接種のお知らせが届く
2月末~3月に入ると55~60代の会社の人達の間で「ワクチン受けたよ」という会話を聞き始めた。
3月半ば過ぎになり、「アラフィフの私もそろそろかしら~?」と思っている頃、携帯にNHSからメッセージが届いた。
「あなたもコロナウィルスのワクチンを受けられます。オンラインで予約を入れてください。」というメッセージと一緒にオンライン予約のリンクが送られてきた。
早速私は送られてきた予約リンクをクリックして3月20日(土)に予約を入れた。
1回目と同時に2回目の接種日も予約するシステムになっていたので、2回目は6月5日を予約した。
ワクチンセンターは、自分のポストコード(郵便番号)を入力すると住んでいる地域に一番近い順に選択肢がいくつか出てきたので、一番近いところを選んだ。
ワクチンセンターの名前に聞き覚えはなかったが、地図で検索してみると、一昔前までソーシャルクラブだった所で、最近まではパーティー会場として使われていたホールのような建物だった。
「この建物もワクチン会場になったのかぁ~。」と思いながらも、場所はわかっているのでひとまず安心した。
ワクチンの予約を入れた数日後には郵送で、あのテキストメッセージと同じ内容のワクチン接種案内のレターも届いた。
ワクチン接種に関する情報や注意事項の書かれたガイドブックと一緒に。
ちょうど私がワクチンの予約を入れた頃、フランスではオックスフォード・アストラゼネカのワクチンを受けた後、血栓になり亡くなった人が数人出たということで、このワクチンの接種を一時中止したというニュースが流れてきた。
3月になってワクチンを受けたという私の知っている人たちの全員がこのオックスフォード・アストラゼネカのワクチンだったので何か副作用がなかったか聞いてみた。
ほとんどの人たち口を揃えて教えてくれた症状は…:
- 注射された方の腕に重みや痛みを感じる
- 接種した当日の夜から悪寒がする
- 熱っぽくなったり、体がだるい
の3点だった。
「要するに、インフルエンザの予防接種と似たようなものね!」
UKでは血栓とワクチンの関連性があるというニュースも今のところ聞いてないし、同僚や親族の人たちも、副作用は1日くらいで回復したと言っていたので安心した。
「接種した日は解熱鎮痛剤を枕元に置いて寝るとしよう」と早速心の準備をした。
ワクチン接種の日
ワクチンの予約当日、指定された時間にワクチンセンターに着くと、裏口が入り口に、そして表の入り口が出口にされていて、ここでもスーパーのように一方通行制になっていた。
私は言われた通りに裏口から入り、ハンドジェルを渡されたので両手を消毒して中に入った。
受付で名前と生年月日と予約番号を伝えた後、順番待ちをするエリアに置かれた椅子に座わって待った。
私の行った時間帯はあまり混んでなく、待ってるのは私の前に1人だけ。
カーテンで仕切られた接種ブースが5つくらいあったので、すぐに順番が回ってきた。
注射をしてくれる担当者の人に、今日の健康状態や、最近インフルエンザの予防接種を受けたか、利き腕はどっちか等の一通りの質問を聞かれた後、「Okay, There you go!(じゃ、いくよ!)」と言いながら注射され、一瞬にしてワクチン接種は完了!
私は血液検査の時に見たような太い針を想像していたのだが、今回の針はとても細くて、刺されても何も感じなかった。
「え!もう終わり?」と不思議な顔をしていると担当者の人から
「そうだよ。はい、じゃこれをキープしておいてね。」と言いながらワクチン接種記録カードを渡された。
その日の夜、私は皆から聞いていたように「悪寒やだるさできっと眠れないだろう」と思い、水や解熱鎮痛剤をベッドの横のテーブルに置いて準備万端で寝た。
しかし目が覚めると朝の8時。「えええ~!朝までぐっすり寝ちゃった!」
悪寒もなければ熱もなかった。
注射された方の腕がちょっとだるく感じられたくらいだった。
なんだか心配損した感が沸いてきたが、「でも、これならきっと2回目も大丈夫だわ!」
と安心した。
そして2月にあったエリザベス女王のスピーチをふと思い出した。
「ちっとも痛くはなかった」「ワクチンを接種した後は守られた感じがした」
全くその通りだと思った。
あれから1年….
ちょうど3月23日で最初のロックダウン宣言がでてから1年になる。
TVでは朝から1年を振り返る番組や、1年間でコロナに感染したり亡くなった人の統計が報道されたりしていた。
去年の3月23日から1年の間にUKのコロナによる死亡者数は364人から126,172人にもなったと。
どれだけの残された家族の人たちが悲しい思いをしているのかと思うと心が苦しい。
そして、まだコロナの後遺症を引きずっている夫。
まだいつまでこの後遺症が続くかわからないけれど、命を落とすことなくすんで本当に不幸中の幸いだったと感謝したい。
この日はお昼の12時に全国で2分間の黙祷が行われ、夜の8時からは哀悼の意を表す目的で各家庭の玄関先でキャンドルや携帯のライトを持って立つということが行われた。
(去年のロックダウン中に行われた毎週木曜日の拍手と違って、まったく音がしないので、我が家はすっかり忘れてしまっていた…。ごめんなさい!)
また全国のあちこちにあるランドマークでは黄色いライトが照らされている様子がTVに映っていて、コロナで亡くなった人たちを尊ぶ厳粛なムードが醸し出されていた。
同じ日、政府からは海外旅行禁止の発表があった。
ビジネス目的、家族のお葬式に参加など特別な理由がある以外で海外旅行へ行った場合は5000ポンドの罰金が科せられることになるらしい。
1年たってもまだまだ通常にもどるまで時間がかかりそう…。