2021年3月 その2: 夫にLONG COVIDの疑いが!/ スーパーからお花が消えた母の日

夫がLONG COVIDかも…

1月に一家全員でコロナに感染した後、ほぼ皆10日間の隔離期間が終わる頃には回復したのだが、夫だけはずっと息苦しさが続いていた。

胸に何かが詰まったような感覚があるらしく、それを取り除こうと咳をするのだが痰がでるだけだったり、少し動き回っただけでも息切れがしたりという症状が数日続いたと思えば、2~3日体調のいい日があったり、というパターンが繰り返されている。

寝るときも横になる位置によっては息がしづらそうで、夜中に何回も寝返りを繰り返したり、それでも寝れない時はリビングのリクライニングチェアーで背もたれを倒した状態で座って目をつぶる時も…。

息切れがするせいで、疲労感もでてきていて辛そう。

そして何もできない自分がもどかしい。

 

夫の隔離期間が終わったのが1月28日だったので、かれこれ6~7週間も後遺症が残っていることになる。

調子のいい日が2~3日続くと、「ああ~、これでやっと回復に向かうかも!」という希望が持てるのだが、とつぜん元に戻ってしまって、「どうして!なぜ?」とまた落ち込んでしまう。今では調子のいい日があっても、「またどうせすぐに悪くなるに違いない!」と回復する希望ももてないような精神状態になってきた。

コロナに感染する前は「早くスポーツジムが開かないかなぁ~。」とか「ロックダウン終わったらまたゴルフ始めなきゃ!」とロックダウンの規制が終わったらやりたい事がたくさんあったのに、今ではそんな事すら考えられない。

 

ニュースや新聞の記事で、多くの人たちがコロナに感染した後、様ざまな後遺症に長い間悩まされていて、その対策のためリサーチを兼ねたLONG COVIDクリニックなるものができたと聞いたのを思い出した。

確か私たちの住むレスター市にもそのLONG COVIDクリニックができたと聞いていたので、「GP(登録しているかかりつけの医者)にLONG COVIDクリニックに照会しえもらえないか聞いてみたら?」と夫に提案してみた。

夫はGPに予約をとって行ったのだが、LONG COVIDとはコロナの後遺症が12週間以上続いているケースを言うらしい。

というわけでLONG COVIDクリニックには照会してもらえなかったが、レントゲンで胸や肺にダメージがないかのチェックをしてもらうことになった。

そして、この後遺症は、ウィルスが自己免疫疾患のようにふるまい、自分の免疫システムが間違えて健康な体組織を滅ぼしてしまうことにより起こるらしいので、免疫システムを低下させるためのステロイド剤も処方してもらった。

レントゲンやCTスキャンではどこにもダメージが見られなかったので安心したのだが、ステロイド剤を飲んだ後も何も変わらなかった。

いろんな検査では何も異常が見られないのに体調が思わしくない、というケースが多いようだ。

会社の同僚も昨年の秋に家族にコロナの陽性反応がでて、10日間隔離していたのだが、それから、数ヶ月ずっと関節の痛み、湿疹、倦怠感が続いていたようだ。

本人はPCR検査を受けなかったので、その時はコロナに感染していたかどうかは不明のままだったのだが、「今思えばあの時、症状はなくても感染していたかも..」と。

いろんな検査をしてもらっても全ての結果は「異常なし」とでたらしく、医者から「LONG COVIDの疑い」と言われたようだ。

3月になってようやく体調がよくなったと言っていたので、「半年以内には夫も元に戻れるかしら?」と希望が少し沸いてきた。

しかし最近見たTVのドキュメンタリーでは、昨年の春の最初のロックダウンの時からずっと入院している人もいると聞いて「ええ!1年以上も?」と驚いた。

後遺症が長く続いている人たちの中には、回復する希望が持てなくなり、鬱になる人も多くいると聞いて心が痛んだ。

夫も希望が持てなくなりかけてるので、「鬱にならないように気をつけなきゃ…。」

と思ったが、まだ感染してから7週間。

LONG COVIDにはまだ当てはまらない。希望を持ちたい!

と私は頭の中はいろんな考えがグルグルと回ってた。

 

メディアでもこのLONG COVIDについてのリサーチが進行中だということと、すでにわかりかけていることが取り上げられていた。

先ずLONG COVIDといわれている症状にはその期間によって2つに分別されるらしい。

  1. On going symptomtic COVID19 (訳すと、「進行中の症候性COVID19」?)

   これは後遺症が4週間~12週間続いている場合

 

  1. Post COVID19 Syndrome (「COVID19感染後の症候群」?)

   これは後遺症が12間以上続いている場合

 

夫は後遺症が続いているのが7週間めなので、1の「On going symptomatic COVID19」に当てはまる。

 

LONG COVIDの症状には…

  1. 疲労・衰弱 – (夫もこれ。息切れすると疲れやすい)
  2. 集中力の低下 (夫も。息切れがすると集中するのが難しい)
  3. 胸・肺の痛み
  4. 心拍のリズムに異常
  5. 息切れ (*夫に当てはまる)
  6. 間接や筋肉の痛み

そしてこれらの症状の他に、「いつよくなるのかわからない」という不安から精神的なチャレンジもでてくると…。

 

ロンドンにあるキングス・カレッジのリサーチによると4182人のCOVID患者を追跡調査した結果、20人に1人はこのLONG COVIDの症状があるらしく、8週間以上その症状が続いたと。そして12週間以上続いたのは50人に1人という割合だったらしい。

「ということは、12週間以上続くのはたった2%だから、確率でいうと12週間までには治る確率の方が高いっていうことじゃない?」

と、この記事を読んだ私は夫にポジティブに語りかけた。

そう、ポジティブ!ポジティブ!

近いうちに完治すると信じたい!

 

スーパーからお花が消えた母の日

今月3月14日の日曜日はUKの母の日だった。

父の日は日本と同じく6月なのに、なぜか母の日は3月…。

日本の母の日といえばカーネーションだが、イギリスの母の日に送るプレゼントの定番は花束(特に1種類に限られてなく、いろんな種類の花束)とチョコレートの詰め合わせと、メッセージが書かれた母の日のカードが多い。

花束とチョコレートを贈るシチュエーションは恐らくイギリスの方が多いと思う。

何かのお礼や、友人や家族を勇気付ける時や、喜ばしいことが起きた時、パーティーに呼ばれた時、など等、何かにつけて「お花でも買っていくかぁ~」となる。

そんなわけで、イギリスのスーパーではいつもたくさんの種類の花束を売っている。

る。

特にバレンタインデーや母の日、それにクリスマス等のイベントのある週はいつもより多くの種類と数のお花が、入り口に一番近いところに所狭しと並んでいる。

いつもそれを眺めながら、「こんなにあったら絶対たくさん売れ残るんじゃないかしら~」と思うほどだ。

 

しかし今年の母の日は、前日の時点でもう花束や母の日のカードの売れ残りがないほど、スーパーに特設された「母の日のコーナー」の棚は空っぽになっていた。

我が家の息子と娘も、私のために前日の夜、近所のスーパーにお花を買いに行ってくれたようなのだが、「まだお花売り場に残ってた数束をかき集めて1つの花束にまとめたよ!」と言っていた。

でもユリやバラを混ぜてくれてなかなか見栄えのいい花束を作ってくれていた。

母の日当日に用があっ私は同じスーパーに行ったのだが、その時点では花束は1つも残っていなかった。

私は心の中で「息子と娘よ、貴重な花束をありがとう~!」とそのカラになった花売り場を見ながら感謝した。

 

「それにしてもなぜ今年はこんなにお花が不足してるのかしら~?」

と不思議に思った。

あとでニュースで知ったのだが、それはUKがEU離脱をしたため、EU(特に東ヨーロッパ)からの季節労働者が減ってお花の収穫に人手が確保できずに、出荷量がかなり減ったためだったらしい。

母の日にもBrexit(EU離脱)の影響があったなんて…!

 

f:id:Elsaleo:20210403011101j:plain
f:id:Elsaleo:20210403011036j:plain
「母の日」当日、スーパーの花売り場は空っぽに!

しかし、お花は不足していても、今年はサポートバブルに入っていればお母さんたちに会うことができる。

昨年の母の日はボリス首相から、「あなたのお母さんに与えることのできる最大のプレゼントは、この危険なコロナウィルスに感染するリスクを避けてあげることです。ですので残念ながら、今年の母の日は高齢のお母さんから離れて過ごしましょう。」

というような内容のスピーチがあったのを覚えている。

あれからもう1年!

今年はワクチン接種も始まり、少しは明るい兆しが見えてきたのが救いだ。