ロックダウン4週目(4月13日~4月19日頃)-国民に感銘を与えてくれたキャプテン・トム

キャプテン・トム

この週から話題になり始めたのは何といってもキャプテン・トム!

このトム・ムーアさんという99歳のおじいさんは第二次世界大戦でキャプテン(大尉)となった退役兵士で、コロナと戦っているNHSのために募金活動を始めた人。

4月30日の100歳のお誕生までに1000ポンドの寄付金を集めるのが目的で、自宅の庭(といってもかなり大きく長さ25mくらい)を歩行器を使いながら行ったりきたり、1日10周ほど歩き始めたそう。

 

イギリスではこのような募金活動が普段から盛んに行われている。

学校でも「チャリティーのために私はは縄跳び100回やります。サポートしてください」というようなお知らせと一緒に名前と寄付した額(といっても1~10ポンドくらいの額)を書くリストが回ってくる。

また「Fancy dress day」といって仮装服(お姫様のドレスや、海賊の衣装等)を来て学校に行くかわりに、1人1ポンドを指定のチャリティーに寄付するというのもあった。

 

大人がやるチャリティー活動で最近よく回ってくるのは「Cancer Research(癌研究所)のチャリティーのためにマラソンに参加します。サポートしてください」というようなものだ。

会社でも同僚一人一人にクリスマスカードを買って書くかわりに、「同僚の皆さんへ」という宛名で1枚だけ書いて、任意の額を寄付しましょう、という募金活動が最近始まった。

寄付するチャリティー団体はその年によって違うが、社長が選んだ団体に寄付されることになっている。

 

チャリティー団体もたくさんあって、ホスピスや動物保護、老人をサポートする団体や精神疾患の人たちをサポートする団体、児童保護や色々な病気の研究団体など、UK全体でなんでも約166,000団体もあるそうだ。

 

募金方法も最近はオンライン化されていて指定された募金サイトに行くと、カード払いで任意の額を寄付できるし、サポートしてる募金活動が現在どれだけの募金額に達しているかも一目でわかるようになっている。

また募金した人の応援のコメントも見れる。

 

今回のキャプテン・トムの募金は「NHS Charity Together」というところへ寄付され、コロナと戦ってくれているNHSのスタッフやボランティアの人たちのために使われるそうだ。「入院したときにNHSにお世話になったので、自分ができることをして少しでも恩返しをしたい」とキャプテン・トムがテレビで言っていたのを聞いて感動してしまった。

99歳になっても人からお世話される立場であるだけでなく、人のために、世のために自分ができることをしようとしている姿をTVで見て感銘を受けた人が大勢いたのか、日に日に募金金額が急増し、当初の目標1,000ポンドどころか4月15日の時点で10,000,000ポンド、翌日の16日には15,000,000ポンド、と数百万ポンドづつ上がっていった。

私も感銘を受けた後、多数の人たちと同じく「寄付しますとも!」と思い、トムさんのJust Givingというチャリティーの募金サイトへ行ってみたのだが、何とパンク状態なのかしばらくアクセス不可能…! 2-3時間たたないと繋がらなかった。

100歳のお誕生日を前にして、目標の1000ポンドをはるかに越してしまったけれど、「寄付金が入ってきている間は歩き続けます。」と言ってお誕生日までは歩き続けることにしたらしい。

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私も僅かながらトムさんの募金活動にオンラインで寄付させてもらいました

このチャリティー活動に勇気付けられて、「私は家の階段を上り下りして募金活動します!」と言って募金活動を始めたおばあさんたちも出てきたほどだ。

トムさんはまた、「戦争も体験したけれど、これだけは言えるよ。明けない夜はない。いつかきっと夜はあけるから希望をもって生きよう。」

先日のエリザベス女王のスピーチのように、やっぱり困難を乗り越えてきた人の言葉には重みがあるなと感じた。

国民に感銘を与えてくれたキャプテン・トム、ありがとう!

 

家で飲み会?

在宅勤務になって時間に余裕ができたので、「そうだ!ランニングでも始めようかなぁ~」と思い立って早速ランニングシューズをネットで注文した。

せっかくシューズを買ったので最初は気合を入れていたのだが、ジムのランニングマシンの上を走るのとは違い、外気に触れながら走ると、向かい風で涙がでてきたりして結構つらい…。 私はつらくなって時々歩き始めた。

この日はゴミ出しの日だったので、歩いていると各家庭からでているリサイクル用の透明なビニール袋が目についてきた。

ビールの空き缶やワインの空き瓶が入っている袋がかなりあるではないか!

別によそ様のゴミをスパイのように覗き見してるわけではないのだが、透明なリサイクル用のビニールに入ってると、自然と目に入ってくる。

みんなこのロックダウン中、家に篭ってる間、やることないから飲んでるのかしら?

とふと思っていたところ「UKのアルコール消費量がこのロックダウンが始まって以来30%増えました」というニュースが流れてきた。

やっぱり!

私も友達とやったのだが、オンライン飲み会も増えてきているらしい。

それにしても30%もアップだなんて…。

 

原油の値段

この週もう1つ目についたニュースは原油の値段が暴落しているというニュースだ。

「そりゃぁ、そうだよね…」と夫と一緒にうなずいた。

長距離通勤で毎週ガソリンを満タンにしていた私も、ロックダウン開始以来1回もガソリンスタンドに行ってない。こういう人が何万といるばかりでなく、世界のあちこちで飛行機も飛んでない。

なんでも、原油価格がマイナスだとか!

マイナスってどういうこと?と不思議に思っていると夫が「お金を払ってでも持って行って欲しいと言うレベルまで価値が下がってるってことだよ。」だと。

毎週のように満タンにガソリンを給油しなければならなかった私は「うちにも石油を貯蓄できるタンクが欲しい~!」と真剣に思ってしまった。

ロックダウンが解除されて仕事に戻ることになっても低価格のままでありますように…。

 

この週UKのコロナによる死亡者数の合計は13029人⇒18492*と増加するばかり..

(*coronavirus.data.gov.ukより)